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2015年10月2日金曜日

生活扶助、住宅扶助、冬季加算削減の撤回を求める意見書案 否決

10月2日、北海道議会第3回定例会に、日本共産党が下記の意見書案を提出しました。
ところが、採決では、自民党、民主党、北海道結志会、公明党が反対し、否決されてしまいました。
本当に残念です。



生活保護費削減及び住宅扶助・冬季加算削減の撤回・中止を求める意見書(案)

今年7月からの住宅扶助費の削減強行により、多くの利用者が新たな苦難を強いられている。低家賃住宅へ転居を要請されること等が相次いでいる。長年住み慣れた地域に、住み続けることができなくなり利用者は深刻である。
 すでに食費・水光熱費にあたる生活扶助費の3年連続引き下げ(総額740億円)が強行され、今年11月からは寒冷地の冬季加算の縮減も行われようとしている。
1リットル80円の灯油を、1か月に300ℓ消費するとすれば、1か月24千円の暖房費を必要とすることになる。
また、冬物衣料や冬靴、除雪用具なども積雪寒冷地特有の負担となっている。
よって、住宅扶助費削減を撤回し、冬季加算の削減計画と現在すすめている生活扶助費削減をただちに中止することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

採決に先立ち、私は提案の趣旨説明を行ないました。





私は、意見案第2号「生活保護費削減及び住宅扶助・冬季加算削減の撤回・中止を求める意見書」の提案説明を行います。
安倍政権は2012年末の政権復帰直後から生活保護費の大幅な削減を続けています。
最初に手をつけたのが食費や水光熱費などにあてる生活扶助費削減であり、2013年度から2015年度にかけて総額740億円を段階的に削減する計画を立てて、現在実行中です。
この削減計画は、利用世帯の9割以上が減額の対象になるなど過去最大規模です。
こうして利用者に苦難を強いている最中だというのに、新たに持ち出したのが住宅扶助費と冬季加算の削減です。
住宅扶助費は2015年度から2018年度まで総額190億円削り、冬季加算は今年11月に約30億円削ります。
住宅扶助費は、生活保護利用者にアパート家賃などの費用として支給されているものですが、現状でも、国が「健康で文化的な住生活」と決めた水準の住宅に入居できる利用者は多くありません。
都市部などは家賃が高く、住宅扶助費の上限額であっても、劣悪な環境の住まいしか確保できない場合が少なくないからです。
冬季加算は暖房代を上乗せするもので、厳寒期の北海道では文字通りの命綱です。
物価高と消費税の増税とで実質最低限度の生活水準が下がっているうえ、暖房費の実態に見合う加算がなければ、冬場は、最低限度の生活をいっそう下回ることになり、利用者の命と健康を削ることに等しいものです。
厚生労働省が保護費削減を狙い設置した社会保障審議会 生活保護基準部会の議論では、むしろ住宅扶助費の役割が強調され「削減は慎重に」という意見が大勢となり、報告書に「削減すべきだ」と明記できませんでした。
その指摘すら受け止めず「削減先にありき」で住宅扶助費などの削減を決めた厚労省のやり方には、まったく道理はありません。
この間生活保護費は増え続けていますが、捕捉率は低いままです。
保護費の縮減は、世帯当たりの受給額を削るのではなく、受給者が増え続けている背景にある貧困を減らすことによるべきであり、政府が、貧困の拡大に対して、有効な対策を打っていないことの結果として、生活保護の増加を招いていると言えます。
それを棚上げし、生活保護費を削減するのは、国民生活に対する責任もなければ、道理もない政治だと言わざるを得ないのであります。
よって、議員各位におかれましては、提案の趣旨をご理解いただき、ぜひご賛同くださいますように申し上げ、私の提案説明といたします。

4 件のコメント:

  1. 住宅扶助費の削減問題については、行政がどのような取り組みを現在行っているのを具体的に示さなければ、非常に解かり難い問題と思われます。

    まず、今回の削減をめぐり行政は、対象受給者に対し、「大家さんに家賃を下げてもらうよう交渉して下さい」
    というように、家賃の値下げを試みているようです。
    しかし、この行為は、間接的にとはいえ行政が、民間の事業者(大家)に対し、家賃の値下げに対する圧力をかけている行為にほかなりません。
    何故ならば、この値下げ交渉が決別した場合には、次に行政が行うのは、当該受給者に対し「新基準の家賃上限に収まる住宅に引越して下さい」という転居指導実施という手順に至るからです。
    即ち、大家の立場から見ると、当該値下げを拒むという事は、『店子を抜かれる』という事態に直結する事と成るのですが、だからといって他の入居世帯との均衡を考えると、安易に値下げを受け入れるなども、多様なリスクを回避する観点からも、そうそう容易い決断には至れません。
    又、入居者に多くの受給世帯を抱える様な物件の場合、当該値下げを受け入れるのも、拒むのも、死活問題となる大家さん等も、少なからず存在している訳ですから、今回、国の示す住宅扶助費の削減政策自体が、受給者側負担もさることながら、一般の民間事業者の圧迫につながり、あまり良い政策とは言えい・・・、寧ろ少々乱暴な政策であるのが実状です。

    更に、上記値下げ交渉が決別し、当該受給者に対し転居指導実施という手順に至った場合には、今度は行政が転居費用を支給し、当該受給者の転居が執り行われる訳ですが・・・。
    この時に、問題なのは、当該受給世帯の、いったい幾らの家賃削減の為に、幾らの支出を行おうとしているのかという問題が存在している事です。
    例えば、新家賃基準に対し、1~2千円の超過に対し、十数万円の転居費用を支給し転居させた場合、その削減の効果が発生するのは、十年も先の事となることは、安易に理解出来る範囲かと思われます。

    政府は住宅扶助費を2015年度から2018年度まで総額190億円削るとしているようですが、そのために総額幾らを支出しようとしているのでしょうか?
    考えるだけでも、おぞましいものが在りますよね。
    そして数年後に、政府は住宅扶助費を〇〇億円削減しましたと誇らしげに公表するのでしょうが、そのために費やした費用については封殺されるというように、数字のマジックで、又、国民を欺くわけですね。

    一つだけ言えるのは、今回の住宅扶助費の削減にあたって無理に受給者を転居させるのは、国民の多くへの不利益につながると理解する次第です。

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    1. 匿名様、コメントありがとうございます。
      あなたのおっしゃる通りです。
      家賃の基準が引き下げられて困るのは、受給者だけでなく、大家さんも被害をこうむるケースが多数発生するはずです。
      転居指導になれば、受給者も困ります。
      住み慣れたところを離れることは、大きな負担ですし、子どもさんが小・中学校に通っている場合、同じ校区で探すのは、大変です。
      国のやり方は、あまりにも横暴です。
      宮川潤

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  2. 冬季加算削減問題については、この冬、多少なりとも死人が出るのでしょう。
    しかし、それでも当該死亡者が、冬季加算削減の影響にて死に至ったと認められず、公表もされない事が容易に推察でき、危惧しております。
    そもそも、独居受給者の孤独死等は、全国的にも全く珍しい話しでも無く、その殆どはニュースにも成りません。
    死後発見されるまで、数週間~数ヶ月を要する等もざらです。
    これは受給者にありがちな、社会的孤立や親族間等の稀薄な情況という特性も起因してしまい、おこる問題でもあるのですが・・・。

    特に、寒冷地における、冬季の孤独死においては、何等かの要因にて死亡した場合にも、発見された時には灯油が枯渇している事もしばしばである現状から、死後灯油が枯渇したのか、生前より灯油が枯渇したのかも断定出来ない場面が多々ある上に、死亡後の発見に時間を要し、死因が特定出来ない等の情況から、冬季加算削減との因果関係を結び付ける事は、困難と成るでしょう。
    (凍死ばかりではなく、寒さ対策不足からの持病の悪化等も、懸念要因と成る事は、言うまでも無いでしょう。)

    然し解せないのは、そもそも冬季加算削減の準用については、新生児及び、要介護者(障害認定の成されている者)のいる世帯については、厳しい条件をクリアーすれば、新規準額に加算が在ると言うところです。
    要するに、一日中在宅している事が客観的に認められ、理由の伴う者には、「新規準の冬季加算金額では不足が発生するだろうから、特段の加算を行いますよ」というように、国は初めから新規準額では暖房費を満たすに足りない事を認知している訳です。
    そもそも受給世帯においては、何等かの理由にて就労が困難な状況におかれている人達が殆んどな訳ですから、それなりに日中在宅率も高いのは、仕方が無い事であり、この状況は冬季加算削減をもって解消されるものでも、解消されるべきでも在りません。
    寧ろ、風邪でもこじらせ、医療扶助の支出拡大要因にも成り得る、この様な策は駄策であると思われます。
    仮にもこの政策により、働ける人には、働いて貰おうという意図であるななば、もっと違う容にて、就労を促すべきであるのが当然と考えます。

    この様に、住宅扶助・冬季加算削減については、生活保護費削減の数字的目標の達成を安易に実現すべく掲げられた政策でしかなく、生活保護世帯増加に歯止めをかける改善策には程遠いものである事が理解出来ます。

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  3. 峰田はるか(DEBUNEGON)2016年4月12日 23:14

    保護課は、自らの負担額25%をもゴマカすべく、保護需給者の引越し先を市営住宅に決めさせる。その結果、保護拒否された人、あるいは基準ラインの人が市営住宅に入れず家賃で困窮し、「家賃から病死」する。 これは正しい保護法運用なのかどうか? 浮いた保護費は誰のものか? 今回これを問い質したが、当然のように、そしていつものように回答拒否。 毎年70人が保護を受けられず殺されるそうな。その多くはこのような事例と考えられる。 今後もこれに回答拒否するようであれば、さらに追求期間を延長の予定です。

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