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2014年9月10日水曜日

生活保護廃止され自殺図る

 数年前、30代前半の一人暮らしの男性の生活保護受給者から、私にメールで、「打ち切りになりそうだ」との相談がありました。
 精神的な病気があり、働けない状況だったのです。
 親からは勘当されていました。

 区役所生活保護課から、「ハローワークに行き、仕事をさがしなさい」と言われていました。

 ・・・しかし、ハローワークにも行けない精神状態だったのです ・・・ 「引きこもり」の人には、そういう状況もあるのです。

 「ハローワークに行け!」 ・・・ 行けない ・・・

 彼は、区役所生活保護課の「ハローワークに行け」という「指導指示に従わない」ということで、生活保護を廃止されました。

 彼は、絶望しました。

 しかし、「死にたい」と思う人も、心の中に「生きたい、死にたくない」という気持ちがあるのです。
 私にメールを送ってきました。助けてほしいのです。

 私は、彼のアパートに急行し、何度も玄関チャイムを鳴らしました。
 ドアを叩き「○○さーん!」と呼びましたが、返事はありませんでした。

 あきらめて、玄関のドアノブに、買って行ったパン・ビスケットの入った袋を引っかけて、引き返しかけました・・・

 アパートを出て数メートル歩いたところで、私は思いなおし、「チャイムを鳴らし、ドアを叩いたけれど、ドアを開けていない!」と、引き返し、彼の部屋のドアノブを回すと!
 回るのです!
 ドアが開いた!!

 ・・・ドアが開いても(日中なのに)室内は、真っ暗で何も見えません。
 遮光カーテンが締め切られているのでした。

 玄関に足を踏み入れ、部屋の壁をなでるように手を伸ばすと、照明のスイッチにふれた!!!


 部屋の中は、クスリの箱が散乱。
 自殺を図ったのでしょう。

 「○○さーん!」と叫ぶと、「う~ん」と聞こえました。

 死ぬな!
 救急車を呼び、搬送し、一命をとりとめることができました。

 

4 件のコメント:

  1. 『市の職員の判断(言動)が人の生死を左右する』
    これが、札幌市の抱える生活保護行政の現状なのでは無いでしょうか。

    個人的には、停廃止処分の決定に対しては、いち地方公務員の裁量に委ねられている事自体に違和感を覚え成りませんが・・・。

    この例についても、多分区側は、当該受給者の主治医に対し、病状調査を実施し、その内容を根拠に就労指導(求職活動)を行ったものと考えます。
    しかし、この時に行われた病状調査には、偏りが無かったのでしょうか・・・?
    (不安の在る方には、一度、情報公開請求にて病状調査票を取り寄せる事をお奨めします)
    通常、病状調査は、その時に区側が知りたい情報を、主治医に対し問う形式で行なわれますので、就労指導(求職活動)ありきの質問にて、区側に有利な情報のみを収集する事が可能となり、必ずしも疾病や病状を考慮された内容には至りません。
    更には、上記の様に仕入れた病状調査票を基に、今度は医学的専門知識を保有しない区の職員が、ケース診断会議と称するミーティングにて、当該受給者の処遇を判断し、最終的には今回の例の様に保護の停廃止処分にまで至れるのが当該制度の現状です。
    要するに言葉は悪いですが、区の職員の匙加減ひとつにより、受給者の生死をもてあそぶ事が可能な仕組みに成っているのが、哀しくも事実と成ってしまっているのです。

    今回の例においても、決して区職員の悪意の基に、おこった事例では無い物と考えますが、そもそも職員の善意悪意の有無以前に、受給者の生死に直結する判断に間違いが起こる事自体許されません。
    白石の姉妹の事例をとっても、区の職員判断の間違えに起因する事が明白で在る様に、生活保護行政における判断には、少なくとも人の 『死』 につながる間違えが生じてはいけないのではと考えます。
    これを防止する為にも、第三者機関等による行政側へのチェック・評価機能の確立等が必要と、強く考える次第です。
    又、札幌市の場合、間違えにて生じた結果への、責任の所在等に対する取決めが不充分で在る事も、職員意識を低下させる要因と感じます。


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    1. 匿名様 コメントありがとうございます。

      区役所は「ハローワークに行って求職活動をしなさい」と指導し、「ハローワークに行っていないので、指導指示にしてがっていない」ということで、廃止にされてしまったのです。
      しかし、精神的な疾患がある場合をはじめ、「ハローワークに行くことができない」ということもあるのです。
      それを一概に「指導指示違反」と片付けようとすると、誤りが起こるのだと思います。
      引きこもりの場合など、本人の状況をよく掌握し、本人に会った指導が必要です。
      生活保護課の専門性を持った、かつ本人合わせた柔軟な対応が必要です。

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  2. そもそも生活保護課制度の運用に対しては、個別の事案に合わせた柔軟な対応が必要であると、国からも示されているのが現状です。
    しかし、自治体によっては、本事例のような画一的取扱いが、平然と行われているのも、曲らぬ事実です。
    特に、札幌市の生活保護課制度の運用をめぐっては、傍目に市職員の横暴とも思えてしまうような取扱いが目立つ事が、予てより気がかりで成りません。
    そこで問題なのは、 『何故』 このような画一的取扱いが行われてしまうのかという、事の背景に疑問を抱く事と成ります。
    単純に、ケースワーカーの人員不足等では、言い訳しきれるものではありません。
    (不正受給を見逃す等の事案は人員的要因も想定出来ますが、被受給者の停廃止を巡っては、その手順や過程において、人員不足という言葉とは無縁な、事の進行に至ります)
    この物事の根底と成る部分を露見させ、論議をまき起こさない限り、改善も見込まれないのでは無いでしょうか。
    先生は、このあたりについて、どの様に御見立てですか?

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  3. 生活保護CW は、事務職員のうち大学で一定の単位を取得したものが配属されます
    ただ、誰も配属を希望するわけはないので、その中でやりがいを見いだすことは難しく、しかも激務なので、自分も精神を病んでしまうケースも多々あります
    不正受給と本当に必要な受給の狭間で葛藤に悩まされ、担当している受給者が亡くなると正直ほっとすることに自己嫌悪を覚えたりもします
    生活保護受給者とともにCW の仕事と人員配置も併せて再考しなければ、制度の歪み自体も良い方向には向かないと常々思っています

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