数年前、30代前半の一人暮らしの男性の生活保護受給者から、私にメールで、「打ち切りになりそうだ」との相談がありました。
精神的な病気があり、働けない状況だったのです。
親からは勘当されていました。
区役所生活保護課から、「ハローワークに行き、仕事をさがしなさい」と言われていました。
・・・しかし、ハローワークにも行けない精神状態だったのです ・・・ 「引きこもり」の人には、そういう状況もあるのです。
「ハローワークに行け!」 ・・・ 行けない ・・・
彼は、区役所生活保護課の「ハローワークに行け」という「指導指示に従わない」ということで、生活保護を廃止されました。
彼は、絶望しました。
しかし、「死にたい」と思う人も、心の中に「生きたい、死にたくない」という気持ちがあるのです。
私にメールを送ってきました。助けてほしいのです。
私は、彼のアパートに急行し、何度も玄関チャイムを鳴らしました。
ドアを叩き「○○さーん!」と呼びましたが、返事はありませんでした。
あきらめて、玄関のドアノブに、買って行ったパン・ビスケットの入った袋を引っかけて、引き返しかけました・・・
アパートを出て数メートル歩いたところで、私は思いなおし、「チャイムを鳴らし、ドアを叩いたけれど、ドアを開けていない!」と、引き返し、彼の部屋のドアノブを回すと!
回るのです!
ドアが開いた!!
・・・ドアが開いても(日中なのに)室内は、真っ暗で何も見えません。
遮光カーテンが締め切られているのでした。
玄関に足を踏み入れ、部屋の壁をなでるように手を伸ばすと、照明のスイッチにふれた!!!
部屋の中は、クスリの箱が散乱。
自殺を図ったのでしょう。
「○○さーん!」と叫ぶと、「う~ん」と聞こえました。
死ぬな!
救急車を呼び、搬送し、一命をとりとめることができました。